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パンだな―パンダ主婦の本棚

よく眠りたまに色々考える主婦、twitterID:toppinpararinの本棚にある絵本をつらつら紹介していくブログです。

クリスマスの絵本③ 大人にもメリークリスマス。

こんばんは。

クリスマスの絵本記事第三弾、大人にこそおすすめのクリスマス絵本4冊ですよー。

どれも間違いのないすてきな絵本たちですよーさー皆さん寄っといでー。

 

トスカのクリスマス (講談社の翻訳絵本)

トスカのクリスマス (講談社の翻訳絵本)

  • 作者: マシュー=スタージス,アン=モーティマー,Matthew Sturgis,Anne Mortimer,木原悦子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1991/10/28
  • メディア: 単行本
  • クリック: 8回
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 猫ってさ、可愛いくて美しいじゃないですか。

クリスマスも可愛いくて美しいじゃないですか。いろいろ。飾りとか。

猫のクリスマス。可愛いわ美しいわの二乗じゃないですか。

そんなわけで猫×クリスマス絵本「トスカのクリスマス」です。

[あらすじ]

クリスマスの準備で忙しい家族は、いつものように猫のトスカをかまってくれません。

すねてしまったトスカの元に、サンタクロースがやってきて…

 

猫の可愛さを描いた絵本は数えきれないほどあるんですけれども、

この絵本はなんといっても猫の猫らしさが素晴らしいです。

写実的な細密画なんだけれども、どんな写真よりも、猫の表情が猫らしい。

トスカの表情の表現を、人間側に寄せようとしていないんですよ。

媚びもなく、デフォルメもなく、完璧な猫。そしてかわいい。美しい。

イギリスの家庭(おそらくは、です。著者が二人ともイギリス人なので)のクリスマス風景の描写も実に美麗で、見応えのある絵本です。

 

 

クリスマスにやってくるのは?

クリスマスにやってくるのは?

  • 作者: ケイトバンクス,ゲオルグハレンスレーベン,Kate Banks,Georg Hallensleben,いまえよしとも
  • 出版社/メーカー: BL出版
  • 発売日: 2010/11
  • メディア: 大型本
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 クリスマスって、特にキリスト教徒ではない日本人にとっては、めでたくて、なんとなく浮かれてて、とにかく美味しいもの食べて、子供たちは欲しいものもらって、カップルたちはウフフアハハする日じゃないですか。

それはそれでとても楽しいし、私は日本のクリスマス大好きなんですけれども、宗教的バックボーンのある方々の迎える、もっと厳粛なクリスマスにもとても興味があります。

この絵本、「クリスマスにやってくるのは?」

ー「ゆきが ふりつもるなか、なにかが そこまで きている。

クリスマスのうたごえが 町にひびくなか、

なにかが そこまで きている。 それは…」(カバー袖より)

クリスマスの支度が進む家々。そして寒空の下、人間には見向きもされない動物たち。

そのどちらにも、「なにか」がしずかに、気づかないうちにやってくるのです。クリスマスの夜に…

私はクリスチャンではないので知ったような口はきけないのですが、この絵本を読むと、キリスト教でいうところの「祝福」の意味が、少し実感できるような気がします。

暖かな家で過ごす人間たちにも、森や野原、馬小屋の中で過ごす動物たちにも、等しく注がれる恵みのようなものの存在。それを詩的な文章と、油絵の柔らかな絵具の厚みが描き出している絵本だと思います。

この本の画家はゲオルグ・ハレンスレーベン。非常にかっこいいお名前で一度聞いたら忘れられないのですが、あの「リサとガスパール」や「ペネロペ」シリーズの作者ですね。ゲオルグ・ハレンスレーベン。余談ですが、目にする度に、必殺技か合体ロボの名前みたいだな、と思ってしまってごめんなさい。いけッッ!ゲオルグ・ハレンスレーベンッッっ!!!(やめなさい

 

 

ババールとサンタクロース (評論社の児童図書館・絵本の部屋―ぞうのババール 5)

ババールとサンタクロース (評論社の児童図書館・絵本の部屋―ぞうのババール 5)

 

 大人になると、特に小さいお子さんのいるご両親なんかは、

クリスマスというと自分が楽しむというよりも、いかに子供たちを楽しませるかに頭を悩ませるようになるんではないかと。

こちらの絵本。名作古典絵本なので説明するのも野暮なのですが、ぞうのババールシリーズは、かいつまんで言うと、ぞうのババールが半端なくとんとん拍子に人生を歩んでいく様子を描いた絵本です。

とにかく、とんとん拍子っぷりが半端ない。第一作目で親を亡くした孤児から国王まで登りつめるくらいの象ですよババールは。

この本でも例にもれず、実に立派な国王っぷりをいかんなく発揮しています。

ゾウの国にはそれまでサンタクロースが来なかったらしいのですが、子供たちがどこからかサンタクロースの噂を聞きつけ楽しみにしているのです。

それを見たババールはどうするかというと、サンタを呼びに行くのですよ。王様自ら。

「じかにたのめば いやとはいうまい」とか言って。さすが王になるゾウは違う。

紆余曲折あってようやくサンタの住処へたどり着いたババール。

しかしサンタは、毎年クリスマスにはハードな労働でくたくたになり、とてもゾウの国まではまわりきれないというのです。

さあここからどうするか、ババールの王の器の見せどころです。

サンタを呼びに行くところからクリスマスをセッティングしようとするババールの気概に、(私も今年もサンタ代行業務、頑張ろう…)と、たいへん励まされる二児の母なのでした。

あとね、絵がね、かわいい。そして無邪気。なのにふしぎに気高いのですよ。

登場する動物たちの、ただの点々の目が、どうしてこんなに暖かで心安らぐのでしょう。

シンプルな線が、どうしてこんなに活き活きとして見えるんでしょう。

古典ってすごいなあ、と改めて思うシリーズです。やはり80年以上、世界中で愛されているゾウは一味違うぜ。

 

 

クリスマス・イブ

クリスマス・イブ

  • 作者: マーガレット・ワイズブラウン,ベニモントレソール,Margaret Wise Brown,Beni Montresor,矢川澄子
  • 出版社/メーカー: ほるぷ出版
  • 発売日: 2003/11
  • メディア: 大型本
  • 購入: 1人 クリック: 21回
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 クリスマス・イブの深夜、目を覚ました子どもたち。

こっそりベッドを抜け出し、真っ暗な廊下を抜けて、暖炉とツリーのある居間へ…。

一夜の、ほんのひと時の大冒険。過不足なさ過ぎてこわいくらいのマーガレット・ワイズ・ブラウンの文章。矢川澄子(澁澤龍彦の元奥さんですね)の端正な訳と、舞台美術家ベニモントレソールの、美しすぎてこわいくらいの筆致、大胆な構図。

それぞれがしっかりと結び合って描き出す名作です。

この本はとにかく、凄みがあるんですよ。ページの構成も大胆にして独特。黒、オレンジ、黄色の3色だけで描き出す圧倒の世界。めくるたびにため息をついてしまいます。

冒頭のこの1ページだけでも、線だけで、音もなく降り積もる雪のみっしりとした密度まで感じさせる、恐ろしい画家だなぁと震えました。

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この作品はマーガレット・ワイズ・ブラウンの遺作にベニ・モントレソールが絵をつけたものなのですが、この素晴らしい絵と構成を見ずに亡くなってしまったことが、他人事ながら本当に残念だと思いました。

大人は美しさに打たれ、子供はどきどきわくわくする、素晴らしいクリスマス絵本です。

 

さて、三つの記事に分けたクリスマス絵本の紹介も、ひとまずこれで終わりとなります。

お子さんたちも大人たちも、ひとりの人もおおぜいで暮らす人も、

みんな温かくて穏やかなクリスマスを迎えられますように!

あとサンタさんが私に5億円くれますように!

(最後に台無しにしていくスタイル)